◇理事長あいさつ ―学会紹介―

 浄土学研究会は、浄土宗祖・法然上人の念仏思想を中心に、インド・中国・日本の三国に成立、流伝、展開し、広く多くの人々の信仰の拠り所となってき た浄土教を主たる研究領域とする学会です。また、信仰の学としての浄土学を基底に据えた学会でもあります。現在、300人を超える会員を擁しています。


 平成17年7月2日、浄土学研究会設立総会に際し、初代理事長として現大正大学名誉教授・廣川堯敏先生以下の役員が選出され、同日、第1回・学術大会を 開催し、『浄土学』第43輯を刊行しました。その後、年1回の学術大会と年1冊の『浄土学』刊行を重ね、平成24年6月、第8回学術大会に伴う総会におい て、私が第2代理事長を拝命しました。

 

 平成17年7月2日、浄土学研究会設立総会に際し、初代理事長として現大正大学名誉教授・廣川堯敏先生以下の役員が選出され、同日、第1回・学術大会を 開催し、『浄土学』第43輯を刊行しました。その後、年1回の学術大会と年1冊の『浄土学』刊行を重ね、平成24年6月、第8回学術大会に伴う総会におい て、私が第2代理事長を拝命しました。


 浄土学研究会としての歴史は、まだ8年足らずですが、本会の前身である大正大学浄土学研究会の発足は、昭和5(1930)年3月14日の高祖善導大師 1250年大遠忌にまで遡り、この年、『浄土学』第1輯が刊行されました。それ以前には、明治30(1897)年、望月信亨先生等が中心となり『宗粋』を 刊行、明治33(1900)年、改題の上、『宗粋雑誌』を刊行、明治38(1905)年、再改題の上、『宗教界』を刊行、そして、大正大学の前身である宗 教大学発行の機関誌として、大正9(1920)年、再々改題の上、『無礙光』を刊行されました。さらに、大正15(1926)年の大正大学設立に伴い、 『無礙光』を発展的に改編し、『浄土学』が刊行されたのです。爾来、戦災などの諸事情により、幾度か『浄土学』刊行は頓挫しましたが、その尊い伝灯を継承 する形で『浄土学』を再刊し、さらに、有縁の研究者にも広く研究発表の場を提供すべく、学会としての組織化を目指し、大正大学浄土学研究会の名称を発展的 に解消し、浄土学研究会を設立しました。


 本会の前身であり、今もその中心を担う大正大学浄土学研究室は、歴代主任教授だけでも、望月信亨・石井教道・阿川貫達・服部英淳・戸松啓真・阿川文正・ 大谷旭雄・丸山博正・廣川堯敏という錚々たる浄土教研究の泰斗・碩学を輩出し、わが国浄土教研究の中心的位置を占めてきました。若輩の私が第10代目の責 任者を継承することには忸怩たる思いがありますが、善導大師や法然上人をはじめとする祖師方の御指南、望月先生や石井先生をはじめとする先徳方の御教導を 仰ぎ拝し、さらには、多くの先輩方や仲間・後輩達に支えられながら、本会の主目的である浄土教研究を中心とする学術活動の充実はもとより、会員相互の親 睦、新会員の拡充を目指して、精一杯、努力・精進して参ります。

 

 私が理事長を拝命した平成24年は、法然上人御遷化から、ちょうど801年目にあたります。法然門葉の徒として、新たな一歩を刻むべき記念の年でもあるこ とから、本研究会も、従来の学術大会の開催、『浄土学』の刊行、『円光大師御伝随聞記』の輪読会等の諸活動に加え、注目を集める研究者を招いた公開研究会 の開催、法然上人をはじめとする祖師方の遺跡参拝などの新企画を積極的に実施し、研究会活動の更なる充実・発展を目指します。本研究会の充実・発展こそ、 広く社会一般に向けて、法然上人の教えを周知し、浄土教信仰をより一層広める契機となると受けとめて、真摯に取り組んでいく所存です。会員諸氏はもとよ り、広く有縁の方々からのご指導、ご鞭撻を賜りますよう、ここに謹んでお願い申し上げます。 合掌


平成25年 1月 25日 浄土学研究会理事長 林田康順

 

 

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